2017.12.17

雨の日は調子が悪くなるのはなぜ?【yoc通信 60号】

近年天候の変化が激しくなり、「雨の日など天候が不順だと調子が悪いです」という訴えを患者さんからよく聞きます。今回は、なぜ天候が不順になると体の調子が悪くなるのかについてお話しします。

天気が悪くなるというのは、高い気温で温められた海水や空気が蒸気となったり山にぶつかったりして上にあがっていき、冷たい上空で冷やされて雨になって落ちてくる、という状態です。地表面は空気が上にあがってしまったために空気の量が少ない、すなわち「気圧が低い」状態になります。

気圧の変化はまず、体に物理的な影響を及ぼします。人間の体は「水の袋」と形容できるほど水分が多く、水分は圧力の低い空気中へ向かおうとするため、細胞内の水分も外に向かって膨張することになります。これがむくみであったり、血圧の下がる一因と考えられています。頭の血管が膨張すれば頭痛、喉の血管が膨張すれば気道が腫れて喘息という症状ににもつながるわけです。

次に人間には、体の調子を整える自律神経というシステムが存在します。天候が悪くなると、呼吸から「酸素が薄い」、目から「光が少ない(暗い)」、また内耳にかかる圧力の変化で「気圧が低下した」ことを感知します。そしてこれらの条件を「活動に適さない環境」と判断して、副交感神経を優位に働かせ、体を「休息とエネルギー蓄積のモード」に切り替え始めます。

低気圧になるとだるい、眠い、疲れるという症状を感じるのはこのためです。自律神経の調整がその変化に少しずつ同調して追いついているなら、それほど大きな不調原因にはなりません。追いつかない、もしくは行きすぎてしまったとき「不調」と感じます。また同じ気圧の変化であっても、高くなるとき、すなわち天気が良くなっていくときには、物理的な悪影響はあまりありませんから、不調が出ることも少ないと考えられます。

これに加えて、ヒスタミンという体内物質の分泌による追い打ちがあります。ヒスタミンは外部刺激があると肥満細胞といわれる細胞から分泌され、免疫活動に指令を出す働きをします。しかしこれも過剰に働いてしまえば、花粉症を代表とするアレルギー症状となります。最近、低気圧にさらされるとヒスタミンの分泌が増えることがわかりました。副交感神経の過剰な働きに加えてヒスタミンの過剰な作用も加わり、「不調」もひどくなってしまうことになります。

このように、低気圧による不調の原因の多くは自律神経の調整が追いつかないことと、ヒスタミンの過剰分泌によるものです。ということは、ただでさえ自律神経に負担がかかっている更年期女性、普段から冷え気味のサラリーマンや若い女性、睡眠サイクルが良くない人は不調が出やすくなります。ですから対処法としては自律神経への負担になる暑さ、冷え、睡眠不足を避けるようにすること。アレルギーのある人は、その対策を講じていれば不調を軽減できる可能性があるということです。