2018.01.18

生活習慣病と骨折リスク

当たり前ですが、骨折はある日突然起こります。その原因は基本的に外傷によって起こるわけであり、完全に予防することはできないのですが、起きやすさには個人差があります。いわゆる骨粗しょう症の人は骨折を起こしやすいのは当然ですが、それ以外にも色々なことが骨折を起こしやすくする原因になっていることがわかってきています。

日本骨粗しょう症学会の報告によれば、糖尿病や動脈硬化のある人、いわゆるメタボの人はたとえ骨密度がよくても、骨折を起こすリスクが高いとのことです。実は骨密度は骨の量しかみていません。骨の強さは骨の量(カルシウム)と骨の質(コラーゲン)によって決まります。鉄筋コンクリートに例えれば骨の量、すなわちカルシウムの量はセメントの量となり、骨の質、すなわちコラーゲンは中の鉄筋ということになります。メタボの人はカルシウムの量が足りていても、このコラーゲンが劣化してしまい、折れやすくなるということが最近わかってきました。この場合、いくら外からカルシウムやコラーゲンを補給しても効果はなく、糖尿病や動脈硬化の原因となる生活習慣を改めて、体全体のコンディションをよくしないと改善できません。骨はカルシウムをとっていれば大丈夫というわけにはいかないのです。

普段生活している中で骨折なんて考えもしないことだと思いますが、起こしてしまえば痛いし、動けないし、入院手術となるかもしれないし、リハビリもつらくなるし、最悪寝たきりになる可能性もある、怖いことのひとつなのです。ましてや糖尿病や動脈硬化があれば骨の治りも悪くなりますし、手術に伴うリスクも高くなります。また骨折は、寝たきりになる原因の第3位と多く、骨折を起こした人はそうでない人に比べて死亡率が2倍から3倍にも上がるというデータも報告されています。

医学の進歩はとどまることはなく、最近ではいい骨を作るための体の中のサイクルをよくする注射薬が登場して来ました。これを使えばカルシウムのみならずコラーゲンの状態もよくすることができ、強い鉄筋コンクリートを体の中に作ることができる可能性があります。詳しく聞きたい方はお気軽に診察時に申し出てもらえればと思います。