2018.02.18

患者さんの生の声

昨日、時間ができたので定期検診に眼科へ行ってきました。その眼科はいつもいっぱいで、普通にいけば2,3時間待ちは当たり前なので、開始時間の1時間以上前に玄関に行き、待っていました。いつもはお待たせする側(といってもうちは1時間も待たすことはあまりありませんが。。。)ですが、待つ側になって寒い中がまんしていたところ、程なくして車いすに乗った老齢の男性がやってきました。やはり早めに来て待つつもりであったらしく、「えらい早くから待ってはりますな」から、その方とのお話が始まりました。

その方は3か月に一度くらい来院されるそうで、最初は来るたびに待たされるし、クレームを言ったら、それじゃあここではみれません、っていいよる、きつい先生や。などとその眼科に対する思いを話されました。私も普段はそうやって言われる側ですから、耳の痛い話やけど気を付けななあ、と思いながら、言葉をえらんで相槌をうっていました。そのうちに腰がえらく悪くて、足が動かなくなったこと、膝もいたいこと、手術は無理だとあちこちでいわれたこと、車いすの生活は不便であることなど、色々と話してくださいました。若いころからかなり重労働をされ、今は奥さんに先立たれて一人暮らし。近所の人は手伝ってはくれるがあまり頼るのも気が引ける、宅配のごはんはまずくて飽きる。など、色々話してくださいました。私はそのあたり専門ですから、と今更いうわけにもいかず、返事をするにもつい診察の時にアドバイスすることをいいそうになり、そうですよね、大変ですよね、というだけにとどめるのが大変でした。

こうやって医師としての立場でない状況で、患者さんの遠慮しない声をきくことは普段ほとんどないので、いい経験をさせてもらいました。できるだけそう思われないよう、努力していきたいと思います。

眼科健診のほうはおかげさまで大丈夫でした。でも老眼が出てきているので、とうとう遠近両用のメガネを買うことにし、処方箋を出してもらいました。としはとりたくないものです。

 

2018.02.18

思いを伝えることの難しさ

先日、出身大学の主催する研究会に出席してきました。終了後の懇親会で若いころにお世話になった病院の先生とお会いし、久しぶりに話しました。

「お前は開業してるよな?もう何年になる?」「そうですね、もう10年半になりますか」「そうか、そんなにたつんか。ところで手術とかはもうしないのか?」「時々自分の患者さんを近くの病院に連れていってするときはありますよ」「そうやよなー、俺らは外科医やし、やっぱり手術したくて整形外科医になっていると思うから、開業して手術なしって考えられへんよな」

「・・・」

というやりとりがありました。個人的にはこの考え方にはすこし違和感を覚えます。確かに我々は整形「外科」医ですから、外科医たるもの、手術ができて一人前、その意見に異論はありません。でも医師も人間ですから、色々な思いや考えがある。以前にも書いた通り、私は目の前に来られた患者さんがよくなるのを見ていきたい、手助けしたいという思いで医師になりました。整形外科医になったのも、以前に書いた通りで手術がしたくてなったわけではない。手術はあくまで患者さんを治すための一手段にすぎない。そうなる前に何とかしたい。そうなっても、術後よくなるまで診ていきたい。そういう思いでいま、頑張っています。

そういう思いで患者さんと対峙するとき、こちらがよかれと思って提案をしても、患者さんには患者さんの事情や考えがありますから、私が勧める治療に応じてもらえないことがたくさんあります。時にはそのいさかいが高じて喧嘩のようになってしまう時もあります。患者さんの希望のままに治療をすれば評判もあがるのでしょうが、それは本当に患者さんのことを思ってのこととなるのか。どういえば、私の思いを伝えることができるのか。この仕事をつづける限り、その命題に対する答えを探し続けていくことになるのだろうと思います。

2018.02.18

この凝り、なんとかなりませんか?

最近テレビや雑誌でスマートフォン(スマホ)の使いすぎが話題になっています。1日10時間使って、もはや中毒という状態の人もいるようです。そんな状態では体に障害がでてくるのも当たり前です。スマホに限らず、パソコンや読書、勉強、編み物など長時間同じ姿勢で作業を行うことで肩こり、首凝り、眼精疲労、頭痛、腰痛などの様々な症状が起きてきます。とはいえ、スマホやパソコンを排除するわけにも行かないわけで、問題は同じ姿勢をとり続けることにあります。今回はこういう症状に対するお話をしてみようと思います。

人間は頭をてっぺんにして歩きます。頭の重量はおよそ体重の10分の1(5,6kg)といわれていますから、首の上にお米1袋を乗せているようなものなのです。それでも重いな、と感じないのは人間の体の優れた構造のおかげなのです。首の骨は、背骨や腰の骨と共に絶妙なバランスをとることで重い頭を重いと思わせないようにしています。よく首の骨の格好が悪いから頚部痛や肩こりの原因になるという話をききますが、これについては諸説あり、実ははっきりしていません。

ところがスマホやパソコンを見るときの姿勢は頚椎から背骨にかけてのいいバランスが前のめりに崩れていることははっきりしており、首の後ろから背中の筋肉が重い頭を引き上げるためにかなり緊張していることがわかっています。この状態が長時間続けば筋肉の緊張により血流障害が起き、酸素や栄養が十分に行き渡らなくなります。その結果疲労物質が筋肉に蓄積され、これが筋肉の緊張をさらに強くするという悪循環ができてしまいます。これがいわゆる頑固な「凝り」なのです。

ではどうしたらこれらの症状を防ぐことができるのでしょうか。まずは原因を取り除くこと、すなわち長時間同じ姿勢を続けることをやめることです。何かを始めると夢中になり途中でやめることは難しいので、一定の時間をきめて、たとえばアラームを鳴らすなどしてその時間がきたら適度な休態をとり、血行をよくするために首や背中、腰のストレッチをすることです。

一度「凝り」になると慢性化しやすくなります。緊張を解くために睡眠時間を十分にとる、時にはジョギング、水泳やエアロビといった全身運動を行うのも大切です。

長引く凝りには、単なる肩こりではなく、まれに放置できない疾患や内臓疾患(心疾患や肝臓疾患)が潜んでいる場合があります。凝りが長引く場合には医師の診察を受けることも大事です。お気軽にご相談下さい。

2018.02.18

冷やすのがいいのか、暖める方がいいのか??

当院は整形外科ですので、痛い・腫れている・しびれるといった理由で受診される方が大半です。診察や検査を経て、治療が始まるわけですが、最後によく聞かれるのが冷やした方がいいのか、暖める方がいいのかということです。今回はこれについて少し書いてみます。

まず、冷やした方がいい場合です。

 局所的に熱を持っている時

痛かったり腫れている場所が熱を持っている時は冷やした方がいいでしょう。ただし冷やして返って痛みが強くなる時はやめてください。

 打撲捻挫の直後

内出血をできるだけ軽減させるためには冷やした方がいいです。ただし2日3日と冷やし続けることにはあまり意味がありません。

次に暖めた方がいい場合です。

 慢性的な痛みのある場合

 慢性的な痛みのある場合は血行不良や筋腱の緊張が強い状態のことがほとんどですので、暖めて血行を良くしたり緊張をほぐすようにする方がいいです。こうお話ししますと、たいてい聞かれるのが、冷湿布を貼ったらいけないのですか?という質問です。

以前にも一度書きましたが、湿布は鎮痛薬であって、冷えたり暖まったりする効果はありません。冷湿布はハッカが入れてあり、温湿布は唐辛子が入れてあるだけなのです。本当に冷やすのなら氷枕やコールドスプレーを、暖めるのならカイロやお風呂ということになります。

簡単に書くと以上となりますが、個人個人や、状況により当てはまらない場合もありますので、迷う場合はお気軽にご相談下さい。