2018.02.18

思いを伝えることの難しさ

先日、出身大学の主催する研究会に出席してきました。終了後の懇親会で若いころにお世話になった病院の先生とお会いし、久しぶりに話しました。

「お前は開業してるよな?もう何年になる?」「そうですね、もう10年半になりますか」「そうか、そんなにたつんか。ところで手術とかはもうしないのか?」「時々自分の患者さんを近くの病院に連れていってするときはありますよ」「そうやよなー、俺らは外科医やし、やっぱり手術したくて整形外科医になっていると思うから、開業して手術なしって考えられへんよな」

「・・・」

というやりとりがありました。個人的にはこの考え方にはすこし違和感を覚えます。確かに我々は整形「外科」医ですから、外科医たるもの、手術ができて一人前、その意見に異論はありません。でも医師も人間ですから、色々な思いや考えがある。以前にも書いた通り、私は目の前に来られた患者さんがよくなるのを見ていきたい、手助けしたいという思いで医師になりました。整形外科医になったのも、以前に書いた通りで手術がしたくてなったわけではない。手術はあくまで患者さんを治すための一手段にすぎない。そうなる前に何とかしたい。そうなっても、術後よくなるまで診ていきたい。そういう思いでいま、頑張っています。

そういう思いで患者さんと対峙するとき、こちらがよかれと思って提案をしても、患者さんには患者さんの事情や考えがありますから、私が勧める治療に応じてもらえないことがたくさんあります。時にはそのいさかいが高じて喧嘩のようになってしまう時もあります。患者さんの希望のままに治療をすれば評判もあがるのでしょうが、それは本当に患者さんのことを思ってのこととなるのか。どういえば、私の思いを伝えることができるのか。この仕事をつづける限り、その命題に対する答えを探し続けていくことになるのだろうと思います。